わからないからこそ強く願う
松下幸之助さんのお話しにダム経営論というのがあります。
『経営というのは、ダムがいつも一定の水量をたたえているように、
不測の事態に備えて、資金も人材も蓄えておかなければならない』
というものです。
松下さんがある講演会でこの話をしたところ、会場から
「われわれはそれができないから苦労している。
どうすれば、資金や人材を蓄えることができるのか、その方法を教えてくれ」
と質問が出ました。
しばらく考え込んだ松下さんは、
「まず、蓄えがいると思わなあきまへんな。
ダムはどうしたらできるのか私もよう知りませんのや。
知りませんけども、まずはダムを作ろうと強く願うことですわ」
と答えました。
ミッションとは、会社の目的、使命、どんな社会にするために
自社は存在しているのか、と言うことです。
当社のミッションは『中小企業を元気にする』ですが、
どうやったらそれを本当に実現できるのかはわかりません。
ミッションを実現する一番簡単な方法を教えてください、
という質問はなんだかばかばかしいことはわかりますよね。
わかるのならやればいいのですから。
ミッションとは、実現しようとしまいと、強く願い、
そのために命を使う(使命)覚悟のことです。
【質問】資金も人材も、少しずつ蓄えていますか?
「見せてくれ、そしたら信じる」という人にはいつまでたっても見えません。
見えないものを信じるから、見えてくるものもあるのです。