世界が100人の村だったら(中小企業編)
あるところに100人の村があったとします。
あなたはこの100人の村で自分の商品を販売しています。
でもなかなか売れません。
なぜならあなたが販売している商品は今まで見たこともない商品だし、
まだ誰も使っていないからです。
そこで、どうにか無料で使ってもらったり、
保証を付けて売ったりしているのですが、
販売経費がかかり過ぎて、なかなか利益が出てきません。
しかし、徐々に商品が浸透してゆき、
購入者が11人を超えるころ、状況が少し変わってきます。
これまでの購入者がしゃべりだし商品になじみが生まれ、
販売するのがだんだんと楽になってきます。
買ってくれる可能性のある人はあと89人いて、
そしてライバルはまだいません。
ジワジワ、コツコツと購入者が増えてゆきます。
そして購入者が20人を超えた時、状況が一変します。
それまでは、お客さんのところに出向いて商品説明をしていたものが、
お客さんの方から商品を求めてくるようになるのです。
すると数が出て商品を作るのにも慣れてきたので、
原価もだいぶ安くなりました。
そこで販売価格を下げたところ、一気に購入者が増えます。
ライバルも数社出てきましたが、まだまだ利幅は確保できています。
頑張って売れば売るほど儲かるので、
商売が楽しくて仕方がありません。
俺は経営の天才だー!と。
このような状況が購入者が50人になるまで続きます。
村の人口の半分が既に商品を使っており残りはあと半分です。
ところが、すでにライバルが4社出てきています。
つまり1社あたりあと10人のお客さんしかいません。
これまではお客さんに商品を見せれば売れたものが、
「あっちの方が安いよ」と値下げを要求されます。
そこで思い切って大幅な値下げをしました。
するとライバル各社も追従。
その結果、村の中でさらに30人が商品を購入しました。
残る村人は20人、それを5社で奪い合います。
1社あたり4人。
既に80人がその商品を使っているので、
まだ使っていない人を探すのが大変です。
しかも価格は大幅に値下がりしているので、
どうにか売ったところで、もはや利益は出ていません。
ライバルが力つき、何社か会社をたたみ始めました。
そして社長は気力なくつぶやきます。
「あのころは、黙っていても売れるいい時代だったなぁ」と。
このように市場を小さく限定して考えると、
どこの業界でも同じことが起きているとわかります。
ではどうすればいいのでしょう?
そのヒントはこの短い物語の最初にあります。
『でもなかなか売れません。
なぜなら今まで見たこともない商品だし、
誰も使っていないからです。』
なかなか売れない、見たこともない、誰も使っていない商品。
そんな商品の100個に1個、もしかしたら1000個に1個が、
新しい成長カーブを描くのです。
【質問】あなたの今のお客さんは、100人のうち何人目ですか?
次世代の成長カーブを描くための、種を蒔き続けるのです。^^