2対8の法則(2/2)
人は、努力と報酬はだいたい釣り合っていると考えがちですが、
現実はまったくそうなっていません。
また多くの中小企業経営者は、
人間がやることにそんなに違いが生まれるはずがないと考えがちですが、
やはり現実はまったく違います。
稼いでいる人は予想以上に稼いでいるし、
害をなしている人は予想以上に害をなしています。
この稼ぎと害を給料と比べた時には、恐るべき不均衡が出てくるでしょう。
10割10割の世界で戦っている人たちは、
2割8割のような話しを聞いた時に、
「楽して儲けるのは良しとしない」
と答える人も多くいます。
しかしそれは、
苦労しているのに儲かっていないという状況を、
変えなくていい理由にはなりません。
また、「ダメな8割があるから2割が活きているんだ」
という反論もあるでしょう。
たとえば在庫を抱え持つ商社卸売業のケースです。
「8割の注文は2割の商品に偏っている、
でもほとんど注文のない8割がなければ2割の注文すら来ない」
という反論です。
それは全ての商品を取り揃えるロングテール理論を実践できるアマゾンなどの戦略です。
資金繰りも含めそれで十分利益が出ているのならば構わないのですが、
実際には限られた経営資源の中では、
次のような説明を顧客に理解してもらうのが中小企業の王道です。
『十分に在庫があり即納できるのはこちらの商品です。(2割)
それ以外のこちらの商品(8割)については、
注文をいただいてから○日のリードタイムを頂きます』
顧客からこれだけの理解を得られないために、
2割しか回転しない8割の在庫を抱えることで、
資金を寝かせ、倉庫コストを払い、陳腐リスクを抱え、
在庫管理に手を焼くことになるのです。
もちろん、業界の慣習や競合関係などがあるでしょうが、
2割のラインナップに集中強化してゆく
努力は続けなくてはなりません。
仕事の2割は、極めて効率が高く、顧客から喜ばれていて、
利益に貢献しています。
仕事の8割は、行き当たりばったりで、見当違いで、無駄が多く、
顧客のニーズからかけ離れていて、無意味もしくは害があります。
あなたの業界全体の利益の8割は2割の企業があげています。
あなたの会社がその2割に入ってないとしたら、
その原因はどこにあるのでしょうか。
【質問】あなたは2割の方ですか?それとも8割の方ですか?
2割と8割を、見極めましょう。